機器の接続
日本の基本速度TCM-ISDNは、ヨーロッパ・アジアの基本速度Euro-ISDNと加入者線インターフェースが異なるため、回線終端装置(DSU)の互換性は無い。また、一次群速度加入者線インターフェースについても地域によって異なっている。DSU以外の部分は、ソフトウエアの変更のみで各国対応となる機器が多い。
S点インターフェース機器
基本インターフェースのNTの端末側(S点・T点)は、終端された4線式のバス配線であり、ポイント・マルチポイント構成と呼ばれる1本当たり最大8台の端末の接続が可能である。次の2種類がある。
短距離受動バス配線 : 最大ケーブル長が200m以下の配線であり、任意の場所に端末接続用のモジュラージャックを設置できる。
延長受動バス配線 : 最大ケーブル長が500m以下の配線であり、末端部付近に集中して端末接続用のモジュラージャックを設置できる。また、端末接続用のモジュラージャックはバス配線に直接取り付けるか、長さ1m以内のスタブを介して取り付ける。モジュラージャックから端末までのコードは原則は10m以内に制限されているが、ポイント・ポイント構成の場合に限り25mまで延長できる。一次群速度インタフェースのNTの端末側(S点・T点)は、4線式の配線であり、ポイント・ポイント構成と呼ばれる1本当たり1台のみの端末の接続が可能である。伝送路から伝送された信号を回線終端装置(NT1)でS点インターフェースに変換し、超高速伝送の可能なルータ・ファクシミリ#規格|G4 FAXなどのS点インターフェース機器(TE1)を接続する。また、構内交換機(NT2)などを使用し内線通信などを可能にすることもある。 |TE1-S点--|NT2-T点--|NT1-(LI)U点--加入者線 アナログ電話回線機器など
S点インターフェースが複雑なために、実際にS点インターフェースを備えた端末機器(G4 FAXやISDN対応電話機)は少なく、ターミナルアダプタ(TA)で変換して、従来のアナログ電話機・ファクシミリ(TE2)やLocal Area Network|LAN・コンピュータ機器を接続して利用する形態が一般的に行われている。ターミナルアダプタは、ISDN回線からの給電のみでは動作しない。そのため、乾電池などで停電補償を行うものがある。 |TE2-R点--|TA-S点--|NT2-T点--|NT1-(LI)U点--加入者線NT2とTAの機能を持ったターミナルアダプタの場合 |TE2-R点--|TA + NT2-T点--|NT1-(LI)U点--加入者線また、NT1,NT2,TAの機能を全て備えたターミナルアダプタの場合は以下のようになる。 |TE2-R点--|TA + NT2 + NT1-(LI)U点--加入者線 機能群
NT1 : 回線終端装置 (DSU : Digital Service Unit) - 加入者線の終端・Iインターフェースへの変換・端末機器などへの給電を行う。
NT2 : 端末制御装置・構内交換機 (PBX : Private automatic Branch eXchange) - 端末装置間の通信手順制御・交換・多重化・集線などを行う。
TE1 : S点インターフェース端末装置
TE2 : S点インターフェース以外の端末装置
TA : ターミナルアダプタ 参照点
(LI)U点 : 伝送路インターフェース規定点 - 基本速度インタフェースの場合は、NT1のRJ-11の電話用6極Registered jack|モジュラージャックまたはねじ止め部分、一次群速度インタフェースの場合は、NT1の光コネクタ部分である。
T点 : ISDNユーザー網インターフェース規定点 - 基本速度インタフェースの場合は、NT1の8P8C|RJ-45の8極モジュラージャックまたはねじ止め部分、一次群速度インタフェースの場合は、NT1のねじ止め部分である。
S点 : NT2のRJ-45の8極モジュラージャックまたはねじ止め部分である。
R点 : TEの電話用6極モジュラージャック部分である。 分界点
端末設備と電気通信回線設備との最初の接続点が分界点となる。具体的には、基本速度インタフェースの場合は、保安器または主配線盤の端末側ねじ止め部分、一次群速度インタフェースの場合は、配線盤の光コネクタ部分である。