RSSフォーマットの歴史と変遷
RSS 0.9
最初のRSSであるRSS 0.9は、Resource Description Framework|RDF Site Summaryとして、1999年に米国ネットスケープコミュニケーションズが自社のポータルサイト「My Netscape」において、「チャンネル」の詳細を記すために策定したものである。RDF構文を用いたことから、RDF Site Summaryと呼ばれる。その後ネットスケープコミュニケーションズはRDF構文の利用を止め、独自のExtensible Markup Language|XMLフォーマットを用いて要素を拡張し、よりリッチな情報を提供できるようにしたRSS 0.91を開発した。
RSS 0.91
Rich Site Summaryと改名されたRSS 0.91は、RSS 0.9に要素を拡張する目的で作られた。RDFを用いず、独自のExtensible Markup Language|XMLで記述される。UserLand SoftwareのScriptingNewsから著作権、日付情報などいくつかの要素を取り入れ拡張された。それまでのRSS 0.9より多くの情報を配信できるようになったため、Rich Site Summaryと呼ばれ、その後派生したRSS 0.92, RSS 2.0のベースとなっている。RSS 0.91の登場以降、RSSが持つ「コンテンツ配信」機能に対しての需要がさらに高まった。そのためよりリッチなコンテンツ配信を目指そうとする制作者が、独自の要素をRSSに追加してしまうなど、フォーマットの拡張における混乱がおこることとなった。
RSS 1.0
こうした混乱のなかで、RSSでよく使われる語彙や使われる要素群を「コア」として定義し、それ以外は拡張する側が独自の語彙を「モジュール」として定義することで、中核語彙と拡張性を保証させようとする提案がRSS-DEVワーキンググループ内で起こり、その成果として2000年12月にRSS 1.0がリリースされた。RSS 1.0は0.9時代につかわれていたResource Description Framework|RDFを再び採用し、RSSが持つ「メタデータ記述」としての側面を主眼に置いたフォーマットとなっている。また、RSSコアモジュールの他に公式なモジュールとして、Dublin Coreモジュール、Syndicationモジュール及びContentモジュールが定められた。これによりRSS 0.9の不満であった語彙の乏しさを解消させ、またコンテンツ配信手段としてRSS 1.0を採用する道を残すものとなった。RSS 1.0の登場は、(メタデータ記述技術としての)RSSの中核語彙及び拡張性を保証するとものとなった。しかしRDFを再び採用したこと、モジュールによるXML名前空間の複雑化はすべてのRSS配信者を満足させず、RSS 0.91系のフォーマットを拡張する動きが再びみられることとなった。
RSS 0.92 / RSS 2.0
RSS 1.0の取る道は必ずしも誰もが好むものではなかった、とはいえRSS 0.91以降に起きていたフォーマット拡張の混乱は避ける必要があった。そのため拡張をオプションとして提供し、かつRSS 0.91への互換性を持たせる方法が提案され、それを受けて2000年12月にUserLand SoftwareからRSS 0.92が発表された。UserLandはその後も互換性を維持したままRSS 0.93, RSS 0.94という拡張を続けたが、2002年8月にRSS 0.91からRSS 0.94までのすべてのフォーマットに対する互換性を保証したRSS 2.0を策定し、これをReally Simple Syndicationと名付けた。RSS 2.0はあくまで0.9x系の流れを汲む規格であって、RSS 1.0の後継ではない。それぞれの目指す方向性は同じではないため、場面に応じて使い分けられている。2003年7月に、RSS 2.0制定の中心人物、デイヴ・ウィナー(Dave Winer)の移籍と併せ、仕様もハーヴァード大学|ハーバード大学ロースクールのバークマンセンターに移管された。